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Research

研究の概要

     私たちヒトや動物は様々な感覚情報を受容することで外界の状況を把握します。その中でも視覚と聴覚は遠くのものを知覚できることから、特に空間認知をする上でとても重要な感覚です。このような空間認知においては、感覚入力から特定の情報を正確に抽出して利用することが必要です。このために脳内には、それぞれの役割に最適化された様々な神経回路が存在し、その働きによって正確な情報抽出が行われています。私たちの研究室では、神経回路の構成単位である神経細胞の動作を明らかにすることで神経回路全体の機能を理解し、空間認知の仕組みを明らかにすることを目指しています。

​主な研究手法

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​テーマ1:音源定位と両耳時間差の検出

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     音源定位とは、音情報を手がかりに音のする方向を知覚することであり、動物などの生存に関わる重要な行動です。私たちも日常の中で、たとえば車がどの方向から来るか、あるいは話しかけてきた人がどこにいるか、などを瞬時に認識することができます。これには左右2つの耳の間で発生する、音のわずかな差を利用することが知られています。このうちの耳に到達する音の時間差(両耳間時差)は、左右の耳からの入力が、脳内で最初に合流する脳幹の神経核で検出され、動物種に限らず共通の神経回路機構によって実現され、鳥類では層状核がその役割を担います(図A参照)。このような神経回路では、神経細胞は左右の耳からのシナプス入力を受け取り、それを足し合わせることで、左右入力の時間差に応じて活動電位の発生頻度を変化させ、時間差の情報を検出します。重要なこととして、このような時間差検出は音の周波数に応じて異なる神経細胞で行われます(図B参照)。近年、これらの神経細胞は担当する音の周波数に応じてさまざまな個性を持っていることが分かってきました。さらにその個性は個々の細胞レベルに留まらず、軸索の投射様式やシナプスの結合パターンなど、神経回路全体に及ぶことも明らかになっています。私たちは、このような神経細胞や神経回路の持つ様々な個性が、時間差検出や音源定位にどのように役に立っているのか、あるいはどのような制御機構によってこの個性がつくられるのか、などに興味を持ち研究を行っています。

​テーマ2:⾳のタイミングを正確に伝える神経細胞

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     テーマ1で紹介した周波数ごとの個性は、層状核へ投射をする蝸牛神経核においても認められます。蝸牛神経核は層状核で時間差検出を行うために、音のタイミング情報を正確に伝達する役割を担っており、そのために様々な周波数ごとの個性を持つと考えられています。私たちは蝸牛神経核においても、このような個性の詳細な解析と、それがどのように機能するのかを明らかにする研究を行っています。特に蝸牛神経核では、電気穿孔法による遺伝子導入を行うことができるという利点があります。この手法を活用して様々な遺伝子やタンパク質分子の発現を操作することで、それぞれの機能を直接的に解析することが可能です。さらにこの下解析は神経回路の生理機能を明らかにするだけでなく、遺伝子制御によって神経回路が形成される仕組みに迫ることも期待されます。

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北里大学医学部 生理学(山田単位) 〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1 

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